俺には妹がいるんだけど、いつも生意気だって思っていて、素直に可愛いとか言えないんだ。でも内心、愚痴ってるのも可愛いなって思ったりする。でも、その日は少し様子が違った。いつものように「お兄ちゃんに手伝って欲しい」なんて、ありえないことを言ってきたんだ。 俺はびっくりしながらも面倒くさそうに「何だよ」と答えた。彼女はじっと俺の顔を見つめて、「夢を見たの」と言った。彼女のその目が何か引っかかる感じがしたけど、話を聞くことにした。夢の中で、俺が妹を見失って、暗闇の中を必死に探し回ってる夢だったらしい。 ようやく見つけたと思っても、毎回違う方向に消えてしまうって。不安そうな彼女の顔を見て、適当に笑って「そんな夢、俺の方が見たくないよ」と言ってみたけど。数日後の夜、俺の部屋に彼女の声が響いたんだ。「お兄ちゃん、手を貸して」って。あの時と同じ言葉に驚きながらも、廊下に出て彼女の部屋に向かう。でも、ドアを開けてもそこには誰もいなくて、何かが妙な音を立てていた。 慌てて電気を点けたけど、一人でいるはずの部屋には彼女のノートだけがぽつんと床に転がっていた。ページを開くと、そこには「お兄ちゃんを見失った」の文字がぐるぐると書かれていた。気がつくと背後から、妹の声で「お兄ちゃん、今度は見失わないでね」って…どうやら、夢じゃなかったのかもしれないって思った瞬間、ぞっとした。 思わず叫んで後ろを振り向いたけど、そこには誰もいなかったんだ。すごく静かで、変な感じだった。何とかして、ただの勘違いってことにしようとしたけど、腕に鳥肌が立ってるのがわかってね。妹の部屋を後にしようとしたその瞬間、床にまた視線が落ちて、ノートに何か新しい文字が浮かび上がってきているのを見たんだ。 「お兄ちゃん、ちゃんと覚えててよ」って書かれていた。込み上げる不安を感じつつ、声を振り払うように部屋を飛び出した。妹が無事であることを確かめるために別の部屋も回ったけど、家の中はしんとしていて妹の姿はどこにもなかった。どこかで彼女が俺を見ている気がして、ただただ不気味でたまらなかった。 あの声が、ノートのメッセージが何を意味するのか、知りたくなかったけど、薄暗い廊下を歩きながら背後の気配から逃れられない気がしたんだ。冷や汗をかきていて、心臓がバクバクしてきた。その瞬間、どこかから微かに足音がするのを感じたんだ。それは確かに妹の足...